おかん
あ、オヤビン、やっと起きた。
お昼つくってあるから、たべや〜
お昼つくってあるから、たべや〜
オヤビン
おう。
おかん
オヤビン、明日帰るんやっけ?
オヤビン
そうや。
おかん
明日は晴れるみたいやから。
今日はずっと雨みたいやけど…。
今日はずっと雨みたいやけど…。
オヤビン
この時期に雨はこたえるな。
おかん
そうやな。
オヤビン
・・・・。
おかん
オヤビン、
あんま顔みないうちに、ちょっと痩せたか?
あんま顔みないうちに、ちょっと痩せたか?
オヤビン
そんな痩せてないで。
おかんはちょっと太ったか?
おかんはちょっと太ったか?
おかん
もうっ!そういうこと言わんでええのに!
オヤビン
すまんすまん。
オヤビン
…おかんは元気にしとったか?
おかん
私はこの通り元気やで。
オヤビン
なによりや。
おかん
ちゃんとしたもん食べとんの?
オヤビン
食べとるよ。
おかん
最近はどこで仕事しとるん?
オヤビン
ん?前の会社と似たようなことしとるよ。
おかん
営業やっけ?大変やろ?
オヤビン
もう慣れたわ。
おかん
お父さんも、営業やってたときは大変そうやったわ。
死ぬ時はほとんど仕事、ひとりで抱えてたみたいやった。
死ぬ時はほとんど仕事、ひとりで抱えてたみたいやった。
オヤビン
・・・・。
おかん
私も、お父さんにちゃんと言ってあげたら良かったんやな…。
オヤビン
・・・・。
オヤビン
ちゃんと話しても、親父は仕事から離れんかったと思うで。
おかん
ふっ、せやな…。
お父さん、仕事ないと生きてけんかったやろから。
お父さん、仕事ないと生きてけんかったやろから。
オヤビン
・・・・。
オヤビン
なあおかん?
親父がもし仕事辞めてたら、死んでたと思う?
親父がもし仕事辞めてたら、死んでたと思う?
おかん
え?
どういう意味や?
どういう意味や?
オヤビン
わし、親父分かってたと思うんや。
「自分には仕事がなければ生きてけえへん」って。
「自分には仕事がなければ生きてけえへん」って。
おかん
…。
オヤビン
親父は、
仕事で ”生かされてた” んやないかな…。
仕事で ”生かされてた” んやないかな…。
おかん
…。
オヤビン
せやけど、それ、逆やったのにな。
オヤビン
自分を生かすどころか
むしろ・・・死んでもうた・・・。
むしろ・・・死んでもうた・・・。
おかん
・・・・!
オヤビン
おかん、
親父は何のために生きとったと思う?
親父は何のために生きとったと思う?
おかん
・・・・・。
オヤビン
・・・・・。
おかん
私に答えられる確実な答えが
ひとつあるとしたら…
ひとつあるとしたら…
あんたのために生きたんやで。
オヤビン
…!!!
おかん
せやけどな、、お父さんは、
不器用やった。
死なん方が、、、ずっと良かった…!!
不器用やった。
死なん方が、、、ずっと良かった…!!
おかん
死ぬまで働くんやとしても、
生きた方が数百倍良かった、、、!!!
生きた方が数百倍良かった、、、!!!
オヤビン
…!!!
オヤビン
お、おかん、、
死ぬことを願っていない。
そうだ。
私ももっと、
あなたたちと共にしたかった。
私もあなたのために、生きた。
オヤビン
…!!!
オヤビン
(御子…なんか…?)
オヤビン
(御子も、わしのために生きたんか…?)
あなたにはまだ、わからないだろう・・・。
生かすために、
死ななければならなかった理由を・・・。
しかしあなたたちは、
「生きる」ことの価値を、
見失ってしまったのだな・・・。
どれほど愛して、
あなたたちを創造したのか・・・
神様の心を分かる人が、いないのだな・・・。
キリストだけがその心を分かる。
だから
いつも命を生かそうとして生きる。
命を削りながら、
生きる人が今も多いから、
胸が痛い。
それはあなたを本当に幸せにするのか…?
オヤビン
・・・・・。
おかん
オヤビン、どうしたん?
オヤビン
・・・・。
オヤビン
わしも、今、問われてんのや。
どこに向かって生きたらええのか。
どこに向かって生きたらええのか。
おかん
え?
オヤビン
親父、
ほんまは生きる道を探さんといけんかった…
ほんまは生きる道を探さんといけんかった…
オヤビン
親父がわしのために生きたように、
親父のために生きた存在もおったからや…
親父のために生きた存在もおったからや…
おかん
…?!
オヤビン
すまん、、
ちと走ってくる。
ちと走ってくる。
おかん
え…?外は雨やで。
オヤビン
頭洗ってくるんや。
・・・・バタンッ!
おかん
…
オヤビン!
オヤビン!
…To be continued