これは…
あなた どこに行くのか…
あなた どこに行くのか…
私から 離れていくのか…
どうして 離れていくのか…
ズブ…ズブ…
…!?
愛する人よ
去っていくのか…
最後まで 私を呼ぶことなく
去っていくのか…?
私があなたの心に
何度留まろうとしたか
あなたは知らずに去っていくのか…
全てのものを
ただ”あなた”のために
造った…
待って、待って、待って…っ!
ぼくの話を聞いてください…!
ぼくの話を…!
バシャアッ…!!
時が…時が…過ぎていく…
これ以上行けば もう誰の手も届かない…
この 痛みが伝わらないのか…?
この 苦痛が 感じられないのか…?
本当は 感じているのだろう…?
ああ…もう…いい…
誰もいない
誰も俺のそばにいない
一生…一生…
俺は一人だ…
違う、違う!!
そばに、永遠に
共にしてくださる方がいるんだ!!
こんな…近くに…!
俺の近くには 誰もいなかった…
声をかける人 みんないなくなった…
そうだ。
いねえんだよ。
違うよ。
いるんだ…
ぼくの言葉を聞いてほしい…
ただ
ただ
あなたと
一緒に…
永遠に…
共にしたい存在がいるんだ…
あのおっさん、聞こえてないんか…!!
ひひ…
聞こえるわけねえよなあ。
そりゃそうだ…
だぁれも
お前のそばにいないんだから。
だから俺のもとに来いよ。
あなた…
戻ってきなさい…
バシャ…ッ
あのおっさん…沈んだんか!!?
タタタタタタタタッ!!!!
なあ…!!
…
おじさんは
感じますか…?
…万物を通して
…この全てを見ながら
感じますか…?
神様の
切なる 愛を…
…!!
…
ずず…ずび…っ
ずずっ…ずっ…
…
……!!
ガバッ!!!
…
…
ピッ ピッ ピッ
ピッ…
…
…なあ…
わしは お前のこと
全く知らんが…
このぬくもり…
伝わるか…?
なあ…
死ぬ前に…
せめて
…
感じてくれんか…?
お前に伝えたかったやつが…
永遠に
留まろうとする存在が
おるんや…
なあ…
”おる”んやで…?
…
なにかあればすぐにいらしてくださいね。
退院はしても、通院は必要です!
…
…
さぁーーーーーー
はあ…ほんとにあっという間だなあ…
留まろうとされるんですね…
ブッブー
神が造ったすべての物を見られたところ、
それは、はなはだ良かった。(創世記1章31節)
もっと知らないといけないのかな…
生まれた時、こんなにも神様は
喜んでいらっしゃったんですもんね…?
人の人生は…
あっけない中に
”深い想い”が込められているっちゅーことやな…
…
目的があって
あなたは生まれた…
その目的は
私にとって
はなはだ良かったのだ…
その理由を
あなたには知ってほしい。
あなたは私の
愛する人 なのだから…
時編(終)