全身で戦争が嫌になる映画『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』|ベトナム戦争とPTSD
『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』を鑑賞しました!
・ベトナム戦争の実態や惨状を知りたい方
・戦争の恐ろしさについて考えたい方
・帰還兵が抱えるPTSDや苦悩について知りたい方
・アレン・ネルソンさんの人生や活動について知りたい方
ぜひ観に行かれてください!
リリーが誘ってくれたのですが、
いやー
劇場で観れてほんとーーーに
良かったです!!
ブチ事前情報
アレン・ネルソン氏は実在する人物になります!
米海兵隊員として、ベトナム戦争に従軍し、敵を殺害した経験を持ちますが
その経験から彼は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむことに…
ストーリーはこちらの公式サイトや、広告を観てみてください。
ここから先は見た感想を書きたいと思います!
ネタバレを少し含みますので、
事前情報なく観たい方はすぐ劇場へ行ってくださいね笑
ちなみに私はほぼ事前情報なく観に行ったので
いい意味でショックを受けました…笑
…ということで
私、この方が実在する人物だということを
エンドロールで初めて知ったんですよね。
戦争物語ではない、実在された方のお話と聞いて
衝撃を受けました。
戦争の惨状と、帰還兵を襲うPTSD
映画前半は
生々しい描写のオンパレードです。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の壮絶な苦しみ
軍人たちの威圧感満載の教育
沖縄で蔓延る
アメリカ軍の暴虐な姿
ベトコンとの血しぶき必須の戦闘描写
無防備の村人たちへの残虐な行為などなど
「神様〜!!」と呼ぶしかないしんどいシーンがたくさんあります。
作中、主人公が海兵隊となって学んだのは3つだと語ります。
それは
「考えるな」
「服従」
「殺せ」
…。。。
観ながら恐怖を感じました。
この人たちがもし日本に攻めてきたら、
ベトナムの村人たちのように
私も悲鳴をあげて逃げるだろうなって。
容赦なく砲弾を浴びせ
家々を火で燃やし
死体の人数を山のように数え
戦利品として金歯や耳を奪い取る…
人としての良心が崩壊し
度を超えた人間たちの気が狂う姿
「こんなの、PTSDになるしかないじゃん…」
そう思うしかありませんでした。
ネルソンさんは、帰国し家族のもとに帰ってからも、殺したベトコンたちや、殺される恐怖、転がる人肉の数々が思い浮かび、長く苦しみます。
そして彼を取り囲む家族もまた、共に苦しみます。
最初から最後まで
ずーっと眉に力が入ります。
手は石のように開かず、呼吸をするのも忘れてしまうくらい、没頭しました。
「なぜあなたは人を殺したんですか?」
そして
ネルソンさんとカウンセラーの度重なる面談シーンも印象的です。
ここでは毎回ベトナム戦争の回想が付き物で
見ていて辛いのですが
物語の核心的なやりとりが交わされます。
それがタイトルに繋がるこの問いかけ。
「なぜあなたは人を殺したんですか?」
本質を突く問いかけに、ネルソンさんは
「戦争がそうさせた!」と答えます。
でも、カウンセラーが聞きたいのはそれではないんですよね。
命を奪った者の責任…
まぎれもなく「加害者」であることを
本人が自分事として落とし込めるまで、
カウンセラーはずっと問い続けるんです。
そしてネルソンさんが自分の本心に気づいたシーン…
…泣きました。
実はその後も
2度は泣くんですけど(泣)
ほんとに全体を通して
ものすごく丁寧にネルソンさんの葛藤とその生涯が描かれていて
ずーっと引き込まれるんですよね。
そしてネルソンさんの息子の進路に直面してから、後の生涯として活動する反戦・平和への訴え(語り)に繋がっていきます。
ネルソンさんご家族とのやりとりも涙しかありません。
語りたいけど語りきれないので
ぜひ劇場で観てほしいです….(語彙力よ)
二度と見たくない。でも、一度は観てほしい
監督のインタビューをいくつか読みました。
中でも印象的だったのが…
『(とにかく戦争は嫌だという)小さなトラウマを与えたい』
『身体感覚として「嫌だ」と感じるものを、これからの若い人にも感じてもらえたらと思う』
…
見事にプチトラウマになりました苦笑
でもこれくらい全身で
「戦争は本当に嫌だ!!ごめんだ!!絶対に戦争だけはやめてくれ!!」と思える作品は
実は少ないのかなとも思ったんです。
どうしても戦争系の物語は、中心がヒューマンドラマに偏るといいますか…
結局、感動しちゃうんですよね。
極端な世界だから、極端な人間模様が描かれる。
それは、悪いことではないけれど、
少し間違えると
「戦う姿がかっこいい」とか
「苦しいけれども乗り越えた主人公に感銘を受ける」とか
戦争の残虐さよりも、別の部分に気持ちがシフトしちゃう感じがあったんです。
でもこの映画は、
いい意味で全くない。
思い返せば「二度と見たくない」シーンばかりです。
だから、この作品はもう、10年くらい見なくてもいいとすら思っています笑
でも…
人生で一度は絶対に見てほしい!!!
そう力強く伝えたい作品です。
戦争は終わっても、苦しみは終わらない
さらにこの作品の違うところは
「帰国後の苦悩」を描いていることです。
戦争が終わったらハッピーではない。
戦争作品の多くは、
戦時中をメインで描いていると思うんですが、
この作品は、戦争による代償をしっかり描いているんです。
しかも、ちゃんと繋がるように描いているんです。
「帰国した父の人格が変わってしまった」
「父親の暴力で家庭内が崩壊してしまった」
そういう話を断片的に聞くことはあります。
その一部を知ることもあります。
でもこの作品は
「ネルソンさんが戦時中に経験したことから、後遺症になって苦しむ過程まで(そしてその後の活動まで)」
一緒に見て、感じることができるんです。
私は加害者になりうるし、被害者になりうる。
そして戦争になったら、私もネルソンさんになりうるし、殺される側にもなりうる。
物語の軸が、常に「現実」に突き刺さっているから
戦争の怖さが感じられるんです。
「戦争の怖さを感じる映画」が、どれほどあるでしょうか?
憲法9条を改正して、もし日本が戦争を再び行うことになったら???
私は絶対にこの映画を思い出すと思います。
戦争なんか絶対に嫌だ。
本能的に叫ぶと思います。
ということで
全人類に観てほしいと願う作品です。。。。。
ベトナム戦争で「殺さない」という選択 ??
私が先生と慕う、チョンミョンソク牧師は、
ベトナム戦争に従軍してたんですよね。
で、一度も殺さなかったんだと。
私この映画を見て思いました。
「無理だよ無理!!!
怖くて撃っちゃうって!!
殺されるかもしれないんだから!!!」
あんな殺戮が横行する現場で
どうやって人を殺さずに生きていけるでしょうか…
映画で見たようなことが身の周りで、何か月と経験して、
殺さない選択なんて果たしてできるのだろうか…
無理だ…
直観的に思いました。
でも先生は、すべてのベトコンたちを殺さず、
捕虜にしたというのだから、
どんな精神力なんだと驚きを隠せません。
だから堂々と神様の愛を伝えられるんだなと思うのです。
…
アレン・ネルソンさんは、ずっと
自ら犯した加害と向き合い、戦争体験を語り続けました。
それがどれほど精神的に負担が大きいでしょう…
それでも、彼は病気で亡くなるまで伝え続けました。
日本では約1200回以上も講演されたそうです。
もし生きていたならば私も直接聞きたかったな…
以上で、「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」の映画感想文でした。

















