ようやく闘争編Aに終わりが来たか…という気持ちでいっぱいです。
最後の手直しに、これほど苦心した作品があったかというと
…ありました。時編…笑
ネタバレが入っているので、まだ闘争編ご覧になっていない方は、
ぜひ以下より作品を見ていってください。
…
今回は社会問題というよりも“歴史“を扱いました。
テーマは「戦争(太平洋戦争)」です。
なぜ戦争にしようと思ったのか…
構想し始めたのは6ー7月でしたから、8月の終戦記念に向けて色々なメディアが取り上げ始めていた頃だったのか、私の心に強く「戦争をテーマにした作品を描きたい」という気持ちになっていました。
特に「特攻隊」を扱いたい…そう思っていたんですね。
本当に不思議です。過去何度も特攻隊を扱ったメディアや作品を見てきましたが、ここまで自分の胸に突き刺さるように戦争や特攻隊に関心が向くことはなかったからです。
しかし戦争を扱うのはとても難しかったです。
これはこの作品を描くまでに読んだ本たちです。
読み切れなかった本もありますが、
これだけ本気で知りたいと思って読み耽ったことは未だかつてありませんでした。
本の他にも、YouTubeに上げられている歴史を扱う動画も頻繁に見に行きました。
NHKが過去に特集した戦争や特攻隊の番組やサイトにもお世話になりました。
下積みを経て、ようやく材料が揃ったところで、作品を描き始めたんですが、
ここからがまた戦いでした…笑
これまで以上に難しかった制作過程
1、伝えたいメッセージが多すぎた
今作がどうして難しかったのかというと、
『伝えたいメッセージが多すぎた』からでした。
戦争について調べると、本当に多くの問題が見えてきます。
今の日本の社会問題に通じる思想や組織が
戦時中でほとんど作られているなと思うようになったほどでした。
日本の自己犠牲的な精神(それを美化すること含め)
戦争と深く繋がっていることを感じました。
ブラック企業や原発事件にも通じる日本の思想の根っこもあるなと感じます。
また、戦時中のメディアが、国民煽動に都合よく使われている実態を見ながら、
現代メディアもこの血を継いでいるところがあるということを知りました。
…
さて…ここで得た莫大な情報を、いかに聖書と交えながら、
かつ物語の進行に寄り添いつつ描いていくか…本当に難しかったです…(^^;;
ラスト仕上がったあと、私も何度も読み返したんですけど、すごく悶々としてしまって、
堪え切れず相方に読んでもらったのですが、
相方も「いろんなメッセージがたくさんあって汲み取り切れない」
というような話をしてくれました。
それでひとつひとつ感想を聞きながら、
ようやく「これを描いたらいいんだ!」という道が開かれ、書き切ることができました…。
何千回も剪定を加えて加えて、ギリギリまでやってもう一度見てもらった時、
相方が読んで涙してくれて、その時の作品から抜け出た解放感と言ったら言葉になりません…泣笑
本当に感謝感激です。
2、問題が起こらない
もうひとつ難しいと感じた理由が、
「物語の進行上、問題が起こらない」ということでした。
少女編、クリスマス編、帰省編、ミステリ編各話、DREAM編、時編…
どれも物語上で問題が起こります。
その問題に対してオヤビンとコブンが向き合って神様の愛や心情を伝える作品だったんですが…今作は問題がないんです。
ひたすらおばあさんの「語り」によって進みます。
ほぼ過去を回想する話が多いなかどう展開していくべきか、非常に悩みました…
3、物語の舵を切った
今作からオヤビンのゴール(終わり)をより意識して描き始めたのもあります。
今までももちろんゴールは見据えていましたが、今作から完全に舵を切りました。
今まで経験してきた多くの社会問題、そして聖書の謎に
オヤビンが真っ向から向き合い始めたんです。
(生活面では就職活動し始めました笑)
それにあたって、
やはり聖書における「再臨」に触れないわけにはいきません。
一時期韓国を中心にかなり騒がれていた内容です。
1999年、終末、とか聞けば身近に感じるでしょうか…?
実は今回触れた聖句「火」の話とも深く通じる部分でもあるんです。
詳しく知りたい方は麦わらを突っついてください笑
今後の物語でも触れていきますので、ぜひオヤビンたちと一緒に知ってもらえたら幸いです。
そんな聖書としてもかなり大きなテーマである「再臨」と
地上における大きなテーマである「戦争」
この二つを互いに一つにして物語を作るのは、なんというか、
恐竜とゴジラを扱うような感じでした…笑
そして、物語のゴールを意識して書くことになったので、
あながち出来上がってもすぐ更新できない現状もあり…笑
更新したあと、「あ!もっとこの伏線貼ればよかった!」てなりたくないですからね笑
そんなこんなで、闘争編Aは全体で5ヶ月かかるほど
険しい制作過程を送るようになりました…
長らくお待たせして本当にすみません…^^;
(でもこれからもっとワンシリーズに時間かかりそうです。くうう)
あともう一つあとがきに残したかったことが
「特攻人形」の存在です。
「特攻(慰問)人形」は実在する
作品を読んでくださった数名から「特攻人形は(物語上で)作ったんですか?」と聞かれて、そうかあ、確かに知らない人が多いだろうなあと思いました。
かくゆう私も戦争について勉強するなかで知るようになりました。
初めて知ったのがこの写真…
これを見た時、
とてもジンとしました。
あのような人形ひとつ握りしめて、死ぬしかないような戦地に赴く一人一人の想いを考えると…言葉では言い表せない気持ちが湧いてきます。
故郷を思い、家族を思い、大切な人を思い…
向き合わなければならない「死」という現実にぶつかっていかなければならないなんて
「ぼくには耐えられません。」
コブンの言葉、そのまんま、私の気持ちそのまんまでした。
おばあさんのように一人の青年の帰還を願い約束した人が
広い日本のどこかにいたのではないかなと考えながら、描きました。
特攻(慰問)人形について知りたい方はこちらもどうぞ^^
「女学生が作ってくれた特攻人形」NHKより
最後に
今回の作品を皆さんはどう受け止めたでしょうか?
戦争に関する見方はそれぞれ異なるだろうし、シビアなテーマだけに
どう表現しようか戸惑うことが多くありました。
受け止め方もきっと様々かと思います。
この作品を読んでくださって、それでも一番心に響いたらいいなと
感じるのは、やはり神様の視点です。
聖書に書かれている内容を舞台に、
神様は今
人々に対してどんな思いを抱き、アプローチされているのか…
「正しく知らなければ」分からないのです。
聖書についてしっかり学んだ時、その心情がどんなものであり
現実世界(そして私自身に)
どう働きかけられているのかが見えてきます。
作品を通して心にジンと感じるものがあれば、幸いです^^
…
この作品もまた、来年、再来年にはアニメになるのかなと思うと、
最近自分の作品作りの重みがシリーズが重なるごとに重くなっているのを感じています…
しかし、神様が共にして下さるならば、
最後までオヤビンとコブン、描き切れると信じています。
そしてもっと多くの方に、見ていただけるようになると、信じています。
…次回、闘争編Bの構想は、これから考えます笑
長い目でぜひ次回作も楽しみにしていてください…^^!